産後の不安を解消!悪露の塊はなぜ出る?気になる原因と危険なサインを徹底解説
出産は女性にとって大きな喜びである一方で、身体には大きな変化が訪れます。
その一つが「悪露(おろ)」です。
特に、悪露の中に塊が混じっていると、「これって大丈夫なの?」と不安に感じる方も少なくありません。
本記事では、産後の悪露、特に「悪露の塊」に焦点を当て、その正体、原因、そして注意すべきサインについて詳しく解説します。
これから出産を控えている方、出産を終えて悪露に悩んでいる方、すべての方に安心して産後の回復期間を過ごしていただくための情報を提供します。
1.産後の身体の神秘:悪露とは何か?
出産を終えたお母さんの身体は、約10ヶ月かけて赤ちゃんを育んだ子宮が元の状態に戻ろうとします。
この子宮の回復プロセスで排出されるのが悪露です。
悪露は、子宮内に残った血液、子宮内膜、胎盤の残りカス、粘液などが混じり合った生理的な排出物であり、いわば「産後のデトックス」のようなものです。
1-1.悪露の期間と量の変化

悪露の排出期間には個人差がありますが、一般的には出産直後から数週間にわたって続き、通常は徐々に量が減少し、最終的に止まります。
厚生労働省の「平成28年国民健康・栄養調査」によると、産後うつ病の有病率が比較的高いとされているのは産後1ヶ月から3ヶ月頃ですが、悪露の排出はそれよりも早い段階で落ち着くことが多いです。
産後直後~数日間: 最も量が多く、鮮やかな赤色をしています。生理の出血よりも多く、夜用の生理用ナプキンでも間に合わないと感じるほどかもしれません。この時期に「悪露の塊」が出ることが多く見られます。
産後1週間~10日頃: 量が徐々に減少し、色は暗赤色から褐色へと変化していきます。粘り気が強く、小さな塊が混じることもあります。
産後2週間~3週間頃: さらに量が減り、色は黄色から白色へと変化します。塊が出ることは少なくなり、水っぽい状態になります。
産後1ヶ月~6週間頃: ほとんど悪露は出なくなり、おりもののような状態になるか、完全に止まります。
このように、悪露の色や量、性状は時間とともに変化していくのが正常な経過です。
ご自身の悪露の状態を観察することは、産後の身体の状態を把握する上で非常に重要です。
2.悪露の色と性状:正常な変化を知ろう
悪露は、その時期によって色や性状が変化します。
この変化を知ることで、自分の身体が正常に回復しているかどうかの目安にすることができます。

これらの変化はあくまで一般的な目安であり、個人差があります。心配な場合は自己判断せずに、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。
2-1.悪露の匂いと注意すべきサイン
悪露は、最初のうちは血液の量が多いため、鉄のような匂いがすることがあります。
これは正常な匂いであり、心配ありません。
しかし、悪露の匂いが明らかに急に強くなったり、酸っぱい匂いや腐敗臭がするようになった場合は注意が必要です。
これは、感染症や産褥子宮内膜炎などのサインである可能性があります。
【注意すべき悪露の匂いのサイン】
強い悪臭(腐敗臭、魚のような匂いなど)
酸っぱい匂い
普段とは異なる不快な匂い
これらのサインに加えて、発熱や下腹部痛を伴う場合は、速やかに医療機関を受診してください。
3.「悪露 塊」の正体とは?なぜ塊が出るのか
多くのママが経験する「悪露の塊」。
これはいったい何なのでしょうか?
悪露の塊は、出産後の子宮から排出される血液や古い組織が凝固して、塊状になったものです。
これは一般的に、分娩直後やその後数週間に起こる生理的な現象であり、体内の古い組織や血液、子宮内膜などが塊状になって排出されることがあります。
3-1.悪露の塊が出る主な原因
子宮の収縮過程: 出産後、子宮は急速に収縮して元の大きさに戻ろうとします。この収縮によって、子宮内に残っていた血液や組織が押し出される際に、一時的に凝固して塊となることがあります。特に、分娩直後や授乳時に子宮が強く収縮する際に塊が出やすい傾向があります。
安静と活動のバランス: 産後は安静にすることが大切ですが、退院してから赤ちゃんのお世話や家事でどうしても動きすぎてしまうと、一時的に出血量が増えたり、悪露の塊が出やすくなったりすることがあります。無理のない範囲で身体を動かすことは子宮の回復を促しますが、過度な活動は逆効果になる場合があります。
子宮内に残った組織: まれに、胎盤や卵膜の一部が子宮内に残ってしまうことがあります。これらが悪露として排出される際に、塊となって出てくることがあります。これは子宮復古不全の一因となることもあります。
3-2.経産婦さんは特に注意が必要?
特に経産婦さんは、上のお子さんの世話もあり、産後も無理をしがちです。
しかし、産後の身体は想像以上に疲弊しています。
日本産婦人科医会の調査によると、産後の身体的負担は初産婦も経産婦も大きいことが示唆されています。
周囲に協力を求め、産後2週間程度はできるだけ子宮を回復させるために静かに過ごすことが推奨されます。
4.悪露の塊、どこまでが正常?病院に相談すべき危険なサイン

「悪露の塊」が出たとき、多くのママが「これは正常なのかな?」と不安になります。
悪露はドロドロしていて量が多いものですが、いくつか注意すべきサインがあります。
4-1.すぐに産婦人科に連絡すべき危険な「悪露の塊」サイン
以下のような「悪露の塊」が出た場合は、子宮復古不全や感染症などの可能性が考えられるため、速やかに産婦人科に連絡し、指示を仰ぎましょう。
レバーのような大きな塊が出た:手のひらサイズを超えるような大きなレバー状の塊が頻繁に出る場合は、異常出血の可能性があります。
サラサラの真っ赤な血も一緒に出ている:鮮血が大量に、しかもサラサラと出続ける場合は、子宮からの出血が止まっていない可能性があります。
強い悪臭(腐敗臭、魚のような匂いなど)がする:感染症の兆候である可能性があります。
下腹部が強く痛む:子宮復古不全や感染症、子宮の収縮が強すぎる場合などに起こることがあります。
発熱している:特に38℃以上の発熱がある場合は、感染症の可能性が高いです。
下痢が続く:悪露とは直接関係がないように思えるかもしれませんが、産後の体調不良全体として、身体に異常があるサインであることがあります。
これらの症状は、子宮が正常に収縮せず、血管が適切に閉じない「子宮復古不全」の兆候であることもあります。
子宮復古不全は、悪露の主な原因の一つであり、放置すると重篤な状態になる可能性もあります。
早期の発見と適切な処置が重要です。
5.悪露の塊はいつまで続く?その大きさの目安

「悪露の塊」が出る期間や大きさは、人それぞれです。
入院中は塊が出たけれども、退院後は全く出なくなったという人もいれば、出産後3週間で悪露があっさり終わったと思ったら、4週間目にゴロッと子宮に残っていた塊が出てくる、といったケースもあります。
一般的に、小さな塊(親指の先くらいの大きさまで)であれば、産後数週間は生理的な範囲内と考えられます。
悪露の中に小さな塊が混じっているだけであれば、過度に心配する必要はありません。
しかし、前述の「危険なサイン」に当てはまる場合は、大きさに関わらず医療機関への相談が必要です。
6.産後1ヶ月健診:悪露の最終チェック

産後1ヶ月健診は、お母さんの身体の回復状態を確認するための大切な機会です。
この健診では、医師がエコーで子宮の様子をチェックし、悪露の残り具合や子宮の収縮状態を確認します。
もし子宮の中にまだ悪露が残っていたり、胎盤や卵膜の一部が残っているようでしたら、その場で排出を促す処置が行われたり、子宮の収縮を促す薬が処方されることがあります。
これは、子宮内に異物が残っていると感染症のリスクが高まるためです。
健診時には、医師から「産後1ヶ月の悪露はどんな様子でしたか?(何日続いたか、悪露の色は何色だったかなど)」と質問されることもあります。
そのため、日頃からご自身の悪露の状態を観察し、記録しておくことをおすすめします。
スマートフォンアプリや日記などを活用すると便利です。
7.産後の悪露との付き合い方:快適に過ごすためのヒント
産後の悪露は、多くのママが経験する自然な身体の変化です。
しかし、出血量が多かったり、塊が出たりすると、日常生活で不便を感じることもあります。
ここでは、悪露と快適に付き合うためのヒントをご紹介します。
産褥パッドの活用:

生理用ナプキンでは代用できないほど出血量が多いため、出産準備期間中に「産褥(さんじょく)パッド」や「お産用パッド」といった専用のパッドを準備しておきましょう。吸収力が高く、肌触りも優しいものがおすすめです。
こまめな交換と清潔の保持: 感染症を防ぐためにも、パッドはこまめに交換し、デリケートゾーンを清潔に保つことが重要です。シャワーやウォシュレットを活用し、清潔を心がけましょう。
十分な休息と水分補給:

産後の身体は、出産で大きなダメージを受けています。十分な休息とバランスの取れた食事、そしてこまめな水分補給は、子宮の回復を促し、悪露の排出をスムーズにするためにも不可欠です。
無理のない範囲での活動: 適度な活動は子宮の回復を促しますが、無理は禁物です。特に産後早期は、赤ちゃんのお世話以外はできるだけ横になって休む時間を確保しましょう。
パートナーや家族の協力:

産後の回復には、周囲のサポートが欠かせません。パートナーや家族、友人、または地域のサービスなどを積極的に利用し、家事や育児の負担を軽減してもらいましょう。
8.まとめ:悪露の塊は産後の回復の証
産後の「悪露の塊」は、多くの場合、子宮が元の状態に戻ろうとする正常な生理現象です。
しかし、中には医療的なケアが必要なケースも存在します。
本記事で解説した危険なサインを理解し、不安な場合はためらわずに医療機関を受診することが大切です。
産後の身体は、ゆっくりと時間をかけて回復していきます。
ご自身の身体の変化に耳を傾け、無理なく、そして安心して産後の回復期間を過ごしてください。
そして、何か不安なことがあれば、いつでも専門家を頼ってください。
この記事を書いた人
山下 こうすけ

わくわくボディクリニック代表 | 美容・健康業界の第一人者
2003年、セラピストとしてキャリアをスタートし、2010年に「わくわくボディクリニック」を創業。
独自に開発した20年以上の研究に基づく施術メソッドが高く評価され、現在では年間15,000人以上が来店する人気サロングループへと成長を遂げる。
また、その高い専門性と技術力が評価され、ミス・ジャパンの審査員も担当。
美容・健康に関するセミナー講師として、多くの女性の美と健康をサポートし続けている。
現在も施術の最前線に立ちつつ、最新の美容・健康トレンドを取り入れながら、多くの女性の「美」と「健康」をサポートし続けている。
