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初乳はいつまで赤ちゃんに与えるべき?期間と重要性を徹底解説

公開日: 2025.06.20 / 最終更新日時 : 2025.06.20 ミスコンレポート&コラム

赤ちゃんが生まれて初めて口にするおっぱい「初乳」。

この貴重な液体がいつまで出るのか、そして赤ちゃんにとってどれほど重要なのか、新米ママ・パパだけでなく、多くの方が疑問に思っているのではないでしょうか。

今回は、初乳がいつまで与えられるべきかという期間に焦点を当てながら、その驚くべき栄養価と赤ちゃんにもたらす恩恵について詳しく解説します。


1.初乳とは?その驚くべき特徴

「初乳」とは、出産後数日間(一般的には2〜5日)にわたって分泌される、黄色みがかった粘り気のある母乳のことです。

一般的な母乳とは異なる特別な組成を持ち、赤ちゃんの健康なスタートを支えるために必要な成分が凝縮されています。

世界保健機関(WHO)は、生後6ヶ月間は完全母乳育児を推奨しており、特に生後間もない時期の初乳の摂取を重要視しています。

1-1.初乳の色や粘りの秘密

初乳の色が黄色いのは、β-カロテンという色素が豊富に含まれているためです。

このβ-カロテンは体内でビタミンAに変換され、赤ちゃんの免疫機能の発達や視力の発達に重要な役割を果たします。

また、粘り気があるのは、免疫グロブリンなどの免疫物質が非常に多く含まれている証拠です。


2.初乳はいつまで出る?分泌期間の目安

では、具体的に初乳はいつまで出るのでしょうか?

個人差はありますが、一般的に出産後2〜5日間が初乳の分泌期間とされています。

この期間を過ぎると、徐々に成熟乳へと移行していきます。

  • 出産直後〜2日目頃:

    最も濃度の高い初乳が分泌されます。

  • 3日目〜5日目頃:

    移行乳と呼ばれる、初乳と成熟乳の中間のような母乳が分泌され始めます。この時期には、初乳の特徴的な成分もまだ含まれています。

  • 6日目以降:

    完全に成熟乳へと移行し、量も安定してくることが多いです。

この期間はあくまで目安であり、ママの体質や赤ちゃんの吸啜頻度によって多少前後することがあります。

しかし、この最初の数日間が、赤ちゃんが初乳から最大限の恩恵を受けるために非常に重要であることは間違いありません。


3.初乳の驚くべき栄養価とメリット

「初乳はいつまで?」という疑問を持つ方が多いのは、その期間が短いからこそ、この特別な母乳の価値を知りたいという思いがあるからでしょう。

初乳には、成熟乳よりもはるかに多くの栄養素と免疫成分が含まれています。

3-1.免疫力を高める「生きたワクチン」

初乳には、成熟乳の約10倍以上もの免疫グロブリン(特にIgA)が含まれています。

IgAは、赤ちゃんの腸管や呼吸器の粘膜を覆い、ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入するのを防ぐバリアのような役割を果たします。

これにより、新生児がかかりやすい感染症(下痢や呼吸器感染症など)から赤ちゃんを守る効果が期待できます。

まさに「生きたワクチン」と呼ばれる所以です。

3-2.赤ちゃんの消化器系を保護・発達させる

初乳には、消化酵素や成長因子も豊富に含まれています。

これらは、まだ未熟な赤ちゃんの消化器系を優しく刺激し、消化・吸収能力を高めるのに役立ちます。

また、初乳に含まれるラクトフェリンは、腸内環境を整え、善玉菌の増殖を促すことで、便秘や下痢の予防にも貢献します。

3-3.黄疸の予防・改善に寄与

初乳の緩下作用は、赤ちゃんの胎便の排出を促します。

胎便が早く排出されることで、黄疸の原因となるビリルビンの再吸収を防ぎ、新生児黄疸の予防や改善に役立つと考えられています。

3-4.低血糖の予防

初乳には、赤ちゃんに必要な糖分やタンパク質、脂質がバランス良く含まれています。

特に新生児は血糖値が下がりやすい傾向がありますが、初乳を飲むことで安定した血糖値を維持し、低血糖を予防する効果が期待できます。

3-5.脳の発達をサポート

初乳には、脳の発達に重要なDHAやARAといった多価不飽和脂肪酸の前駆体が含まれています。

これらは、赤ちゃんの神経細胞の発達を促し、将来的な認知能力の発達にも良い影響を与える可能性があります。


4.初乳を最大限に活用するために:実践的なアドバイス

4-1. 出産後できるだけ早く授乳を開始する

可能な限り、出産後30分から1時間以内に最初の授乳を開始することが推奨されています。

赤ちゃんが生まれてすぐは吸綴反射が強く、おっぱいを吸う力が最も強い時期です。

この早い段階での授乳は、初乳を確実に赤ちゃんに与えるだけでなく、ママの乳汁分泌を促進し、その後の母乳育児をスムーズにするためにも非常に重要です。

4-2. 赤ちゃんが欲しがるだけ授乳する(オンデマンド授乳)

初乳の分泌量は少量ですが、赤ちゃんが欲しがるサイン(口をパクパクさせる、指を吸うなど)を見せたら、回数や時間にこだわらず、欲しがるだけ授乳しましょう。

頻繁な授乳は、初乳の分泌を促し、赤ちゃんが十分な量の初乳を摂取するのに役立ちます。

4-3. 正しい姿勢と深い含み方を意識する

赤ちゃんが乳首だけでなく、乳輪まで深く含むように授乳姿勢を工夫しましょう。

これにより、赤ちゃんは効率的に母乳を飲むことができ、ママも乳首の痛みやトラブルを避けることができます。

もし授乳の姿勢や含み方に不安がある場合は、助産師や看護師に相談し、アドバイスをもらうと良いでしょう。

4-4. カンガルーケアやスキンシップを増やす

ママと赤ちゃんが肌と肌を触れ合わせるカンガルーケアは、赤ちゃんの安心感を高め、吸綴意欲を刺激します。

また、ママのオキシトシン分泌を促し、乳汁分泌にも良い影響を与えるため、初乳の分泌をサポートする効果も期待できます。

4-5. 必要であれば搾乳も検討する

赤ちゃんがまだ上手に吸えない場合や、ママの乳房が張って赤ちゃんが吸いづらい場合は、手や搾乳器で少量の初乳を搾り、スプーンやシリンジで与えることも可能です。

ただし、これはあくまで一時的な対応であり、できるだけ赤ちゃんに直接おっぱいを吸ってもらうことが大切です。


5.初乳の代替品について

「初乳をいつまで与えられるか心配」「量が少ないのではないか」と不安に感じる方もいるかもしれません。

しかし、初乳は非常に少量でも、その効果は絶大です。

5-1.人工乳では代用できない初乳の成分

残念ながら、市販の人工乳や粉ミルクでは、初乳に含まれる全ての免疫成分や生きた細胞を完全に再現することはできません。

特に、IgAなどの免疫グロブリンや、消化酵素、成長因子などは、母乳特有のものです。

そのため、特別な理由がない限り、できる限り初乳を赤ちゃんに与えることが推奨されます。

5-2.医療的な理由で授乳が難しい場合

ごく稀に、ママの健康状態や赤ちゃんの医学的な問題により、初乳を直接与えることが難しい場合があります。

そのような場合は、医師や助産師と相談し、赤ちゃんの健康状態に合わせた最適な栄養方法を検討することが重要です。

医療機関では、ドナーミルクの利用や、特別な処方のミルクが提供されることもあります。


6.初乳に関するよくある誤解

初乳についてはいくつかの誤解があります。

誤解1: 初乳は量が少ないから、赤ちゃんがお腹を空かせる

たしかに初乳の量は少ないですが、新生児の胃の大きさは非常に小さく、ビー玉程度(約5〜7ml)しかありません。

この小さな胃には、少量の初乳でも十分な栄養と水分を供給することができます。

初乳は高濃度の栄養素を含んでいるため、少量でも赤ちゃんに必要なものを満たせるようになっています。

誤解2: 初乳は汚い、黄色いから飲ませたくない

前述したように、初乳の黄色はβ-カロテンという非常に重要な色素によるものです。

決して汚いものではなく、むしろ赤ちゃんにとって「黄金の液体」とも呼べるほど価値のあるものです。

誤解3: 初乳の期間が終わったら、もう母乳を与える意味がない

初乳の期間が終わっても、成熟乳には赤ちゃんの成長に必要な栄養素がバランス良く含まれており、引き続き免疫成分も供給されます。

母乳育児は、初乳の期間だけでなく、その後も長く続けることで、赤ちゃんに様々な恩恵をもたらします。

WHOは生後6ヶ月までの完全母乳育児、その後は離乳食と併用して2歳、あるいはそれ以上までの母乳育児を推奨しています。


7.まとめ:初乳の重要性を再認識しよう

初乳はいつまで?という問いは、新米ママ・パパが抱く素朴な疑問ですが、その裏には赤ちゃんの健やかな成長を願う深い愛情が込められています。

初乳は、出産後わずか数日間という短い期間にしか分泌されない、まさに「赤ちゃんへの最初の贈り物」です。

この貴重な母乳は、赤ちゃんの免疫力を高め、消化器系の発達を促し、様々な感染症から守る「生きた薬」としての役割を果たします。

出産後できるだけ早く授乳を開始し、赤ちゃんが欲しがるだけ与えることで、この短い期間に赤ちゃんが初乳から最大限の恩恵を受けられるようサポートしましょう。

もし初乳の量や授乳について不安がある場合は、一人で抱え込まずに、助産師や医師に積極的に相談してください。

適切なサポートを受けることで、自信を持って母乳育児に取り組むことができます。

赤ちゃんにとって最高のスタートを切るために、初乳の重要性をぜひ再認識し、愛する赤ちゃんに「黄金の液体」を届けてあげてくださいね。


この記事を書いた人

高橋 あい

わくわくボディクリニック 代表 / 結果にこだわるサプリメント開発者

2010年、女性の美容と健康に特化したサロン「わくわくボディクリニック」を創業。

自身の摂食障害によるマイナス22kgの体験をきっかけに、栄養学と腸内環境の重要性に着目した元祖麹菌サプリメント「ノーカウント」を開発。

「ノーカウント」は、ダイエット、美肌、腸活をサポートするサプリメントとして、全国250以上のエステサロン・治療院などで導入されるロングセラー商品へと成長。

美容・健康業界のプロフェッショナルからも高い評価を得ている。

また、2020年には神奈川県の未病スタイルアンバサダーに就任し、食生活改善セミナーや健康イベントなどを開催し、地域住民の健康増進に貢献。

現在も最前線で施術を行いながら、科学的根拠に基づくサプリメントの研究・開発・販売を継続。

美容・健康分野における革新的なアプローチを追求し続けている

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