【経産婦の妊活】なぜ妊娠しやすいと言われる?統計データで読み解く二人目以降の妊娠
多くの方が経験する「二人目の壁」。
経産婦が妊娠しやすいという話を聞いたことはありませんか?
実は、この「昔からの言い伝え」には科学的な根拠と、現代における新たな課題が隠されています。
この記事では、経産婦が妊娠しやすいとされる具体的な理由を深掘りし、さらに二人目以降の妊娠を希望する方が知っておくべき、より妊娠しやすい体づくりの秘訣を徹底解説します。
統計データも交えながら、あなたの妊活をサポートする情報をお届けします。
1.経産婦が妊娠しやすいと言われる理由とは?
「経産婦が妊娠しやすい」という話は、単なるジンクスではありません。
出産を経験した女性の体には、妊娠に向けてポジティブな変化が起こることが分かっています。
1-1.子宮と骨盤の変化:赤ちゃんを迎え入れる準備が万端に

出産を経験すると、女性の体は大きく変化します。
特に、子宮や骨盤周りの筋肉や組織は、出産時に大きく広がり、その後も柔軟性を保ちやすくなります。
子宮の柔軟性向上
: 妊娠から出産にかけて子宮は驚くほど伸び、赤ちゃんを迎え入れるための準備を整えます。出産後もこの柔軟性が残ることで、受精卵が子宮内膜に着床しやすい環境が整うと考えられています。
骨盤底筋群の適応
: 出産は骨盤底筋群に大きな負荷をかけますが、回復期を経て、これらの筋肉が以前よりも柔軟になったり、適切な状態に調整されたりすることがあります。これにより、子宮の位置が安定しやすくなり、着床環境の改善に繋がる可能性があります。
1-2.ホルモンバランスと排卵周期の安定化
出産後、女性の体は再び妊娠に適した状態へと移行していきます。
この過程で、ホルモンバランスが整い、排卵がより規則正しくなることがあります。
排卵の正常化
: 出産後は、それまでの妊娠期間中に抑制されていた排卵機能が再開します。多くの女性で、この再開後に月経周期が安定し、排卵が規則正しく行われるようになる傾向が見られます。これにより、妊娠しやすいタイミングをより正確に把握できるようになり、妊娠の確率が高まると言われています。
プロラクチンの影響
: 授乳期間中はプロラクチンというホルモンが分泌され、排卵が抑制されることがありますが、授乳を終えたり、期間が経過したりすることで、ホルモンバランスが妊娠に適した状態に戻りやすくなります。
1-3.精神的な余裕とリラックス効果
一度妊娠・出産を経験していることは、精神面においても大きなアドバンテージとなります。
不安の軽減
: 初めての妊娠・出産に比べて、二度目以降は経験があるため、未知への不安が少なく、よりリラックスして妊活に取り組める傾向があります。この精神的な安定は、ストレスホルモンの分泌を抑え、妊娠の成功率を高める要因となり得ます。
リラックスがもたらす好影響
: ストレスはホルモンバランスを乱し、排卵を阻害するなど、妊娠に悪影響を及ぼす可能性があります。リラックスした状態は、子宮の血流を改善し、着床を促すなど、妊娠しやすい体づくりに繋がると考えられています。
1-4.健康意識の向上と生活習慣の改善
妊娠・出産を経験したことを機に、自身の健康管理にこれまで以上に気を配るようになる女性は少なくありません。
生活習慣の見直し
: 妊娠中は食事や睡眠、運動など、日々の生活習慣が胎児の成長に直結するため、多くの女性が自身の健康管理を意識するようになります。出産後もその意識が継続され、規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動などを心がけることで、体全体の健康状態が向上し、結果として妊娠しやすい体になることがあります。
栄養管理の徹底
: 例えば、妊娠前から葉酸の摂取が推奨されるなど、妊娠に関連する栄養素への意識が高まります。これにより、初産時よりも体内の栄養状態が整い、妊娠の可能性が高まるケースも考えられます。
2.経産婦でも妊娠しにくいケースとは?

「経産婦は妊娠しやすい」という一般的な認識がある一方で、年齢や生活環境の変化により、必ずしも二人目以降の妊娠がスムーズに進むとは限りません。
特に、現代の日本では、初産年齢の上昇や核家族化による夫婦の負担増など、様々な要因が絡み合っています。
2-1.高齢出産のリスク:年齢が妊娠に与える影響
現代社会において、初産の平均年齢は上昇傾向にあります。
2-2.産後の体の変化と回復状況
出産は女性の体に大きな負担をかけます。産後の体の回復状況は個人差が大きく、次の妊娠に影響を与えることがあります。
子宮の回復
: 出産後の子宮は、元の大きさに戻るまでに約6~8週間かかります。回復が不十分な場合、着床環境に影響が出る可能性があります。
体力的な負担
: 子育てによる睡眠不足や疲労の蓄積は、ホルモンバランスを乱し、排卵に影響を及ぼすことがあります。
2-3.現代社会におけるストレスと負担
核家族化が進み、夫婦だけで子育てを担う家庭が増えた現代では、初産時よりも精神的・肉体的な負担が増加するケースも少なくありません。
育児ストレス
: 2人目以降の育児は、上の子との兼ね合いもあり、精神的なストレスが増大する可能性があります。ストレスは、月経周期の乱れや排卵障害を引き起こすことがあります。
睡眠不足
: 複数のお子様の育児は、睡眠不足に繋がりやすく、慢性的な疲労は妊娠しにくい体を作る要因となります。
3.統計データから見る妊娠と関連要因

妊娠に関する統計データは、妊活を考える上で客観的な情報を提供してくれます。
3-1.卵子の質の変化と妊娠率
女性の卵子は生まれた時からその数が決まっており、加齢とともに卵子の質は低下していきます。
高齢出産と卵子の質の低下
: 特に30代半ばを過ぎるとその傾向が顕著になり、染色体異常を持つ卵子の割合が増加すると言われています。
妊娠率の低下
: 30歳で約80%の妊娠率があると言われるのに対し、40歳では約50%にまで低下するというデータもあります。
3-2.日本の平均初産年齢
厚生労働省の統計によると、2022年の日本の女性の平均初産年齢は31.0歳であり、高齢出産となるケースが増加しています。
3-3.ストレスと不妊治療の成功率
ストレスが不妊治療の成功率に影響を与えるという研究も報告されており、精神的な側面がいかに重要かがわかります。
3-4.体重と妊娠率
肥満の女性は正常体重の女性に比べて妊娠するまでに時間がかかる傾向があるという研究結果も報告されています。
4.経産婦が妊娠しやすい体を作るための具体的な方法

「経産婦は妊娠しやすい」と言われる一方で、個体差や現代社会の環境要因も踏まえ、二人目以降の妊娠を希望する方は、より積極的に体づくりに取り組むことが大切です。
ここでは、具体的な対策を詳しくご紹介します。
4-1.健康的な生活習慣の維持:食事・睡眠・運動のバランス
妊娠しやすい体を作るための基本は、健康的な生活習慣です。
特に、食事、睡眠、運動の三つの要素は、ホルモンバランスや体の状態に直結します。
4-2.栄養バランスの取れた食事
妊娠前からバランスの取れた食事を心がけることは、母体の健康維持だけでなく、受精卵の質や着床環境にも影響を与えます。
積極的に摂りたい栄養素:
葉酸
: 胎児の神経管閉鎖障害のリスクを減らすために、妊娠前から積極的に摂取することが推奨されています。ほうれん草、ブロッコリー、枝豆などに多く含まれます。
鉄分
: 妊娠中は貧血になりやすいため、鉄分をしっかり摂りましょう。レバー、赤身肉、小松菜、プルーンなどが良いでしょう。ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まります。
カルシウム
: 骨や歯の形成に不可欠です。乳製品、小魚、緑黄色野菜から摂取しましょう。
ビタミンD
: カルシウムの吸収を助けるだけでなく、生殖機能にも関与すると言われています。日光浴や、きのこ類、魚から摂取できます。

タンパク質
: 細胞やホルモンの材料となり、健康な体作りに不可欠です。肉、魚、卵、大豆製品などをバランスよく摂りましょう。
避けたい食品:
加工食品やインスタント食品: 栄養価が低く、添加物が多く含まれる場合があります。
カフェインやアルコールの過剰摂取: 妊娠を希望する期間は控えめにすることが推奨されます。
4-3.質の良い睡眠の確保
睡眠はホルモンバランスの安定に不可欠であり、妊娠しやすい体づくりにおいて非常に重要な要素です。
睡眠不足の影響
: 睡眠不足は、ストレスホルモンの分泌を増やし、排卵を司るホルモンバランスを乱す原因となります。これにより、月経周期が不安定になったり、排卵が起こりにくくなったりすることがあります。
睡眠時間の確保
: お子さんが増えると生活リズムが崩れやすいですが、家族と家事を分担したり、時短家電(ルンバや食洗機など)を導入したりするなど、積極的に睡眠時間を確保する工夫をしましょう。理想は7~8時間の質の良い睡眠です。
4-4.適度な運動の習慣化
適度な運動は血行を促進し、ストレス解消にも繋がり、全身の健康状態を向上させます。
ウォーキングやヨガ
: 激しい運動ではなく、ウォーキング、ヨガ、ストレッチなど、無理なく続けられる軽い運動がおすすめです。血流が良くなることで、子宮や卵巣への栄養供給もスムーズになります。
体重コントロール
: 運動は体重管理にも繋がります。次項で詳述しますが、適切な体重は妊娠しやすい体を作る上で非常に重要です。
4-5.適正体重の維持:BMIを意識した体重管理

痩せすぎも太りすぎも、妊娠にとってはリスクとなります。
適正な体重を維持することで、ホルモンバランスを整え、妊娠しやすい体を作ることができます。
BMIの目安: 適正体重は、BMI(Body Mass Index、体格指数)で確認できます。
BMIの計算式: [体重(kg)] ÷ [身長(m)の2乗)]
適正BMI: 18.5以上25未満が適正とされています。
痩せすぎ・太りすぎのリスク:
痩せすぎ: ホルモンバランスが乱れ、排卵が停止したり、月経不順になったりするリスクが高まります。
太りすぎ: 排卵障害のリスクが高まるだけでなく、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、流産、早産などの合併症のリスクも高まります。
4-6.子宮と卵巣の状態チェック:定期的な婦人科受診の重要性
自己判断だけでなく、定期的に産婦人科を受診し、子宮や卵巣の状態を把握しておくことは非常に重要です。
基礎体温の測定
: 毎日基礎体温を測定することで、排卵の有無や月経周期の乱れを把握することができます。低温期と高温期の二相性があれば、排卵が正常に行われている可能性が高いです。
婦人科検診
: 定期的な婦人科検診では、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫など、妊娠を妨げる可能性のある病気の早期発見・早期治療に繋がります。特に、二人目不妊の場合、前回出産時にはなかった問題が発生している可能性もあります。
AMH検査
: 卵巣に残っている卵子の目安となるAMH(抗ミュラー管ホルモン)検査を受けることも、今後の妊活計画を立てる上で参考になります。ただし、AMHの値は卵子の質を示すものではない点に注意が必要です。
5.夫婦で取り組むストレスマネジメント:二人目以降の妊娠に向けて

二人目以降の妊娠を希望する上で、忘れてはならないのがストレス管理です。
特に、現代の日本は核家族化が進み、夫婦で子育ての負担を抱え込むケースが多く、ストレスが溜まりやすい環境にあります。
ストレスは男女ともに妊娠に悪影響を及ぼす可能性があるため、夫婦で協力してストレスを軽減し、リラックスできる時間を作ることが重要です。
5-1.ストレスが妊娠に与える影響
不安や緊張が続く精神状態は、体の様々な機能に影響を与え、妊娠の妨げとなることがあります。
女性の場合:
月経周期の乱れ: ストレスはホルモンバランスを乱し、排卵を司る視床下部や下垂体に影響を与えることで、月経周期が不規則になったり、排卵が起こりにくくなったりすることがあります。
子宮への血流低下: ストレスによって交感神経が優位になると、血管が収縮し、子宮への血流が悪くなる可能性があります。これは着床環境の悪化に繋がりかねません。
免疫機能の低下: 慢性的なストレスは免疫力を低下させ、感染症にかかりやすくなるなど、体の抵抗力を弱める可能性があります。
男性の場合:
勃起機能や射精機能の低下: 強いストレスは自律神経のバランスを崩し、男性の生殖機能にも影響を及ぼすことがあります。勃起不全や射精障害に繋がる可能性も指摘されています。
精子の質の低下: ストレスが精子の数や運動率、形態に悪影響を与えるという研究結果も存在します。
5-2.夫婦でストレスを軽減する方法
忙しい毎日の中で、意識的にリラックスできる時間を作り、ストレスを解消することが大切です。
家事・育児の分担: 「完璧な育児」を目指すのではなく、夫婦で家事や育児の役割を分担し、負担を軽減しましょう。必要であれば、両親や行政のサポート、ベビーシッターサービスなども積極的に活用することを検討しましょう。
夫婦の対話: パートナーと日々のストレスや悩み、不安を共有する時間を作りましょう。お互いの状況を理解し、共感することで、精神的な負担が軽減されます。
リラックスタイムの確保: 短時間でも好きなことに没頭する時間を作ることで、気分転換になります。
アロマセラピーや入浴: 香りを楽しんだり、温かいお風呂に浸かったりすることで、心身ともにリラックスできます。
軽い運動: 散歩やストレッチなど、体を動かすことはストレス解消に繋がります。
夫婦二人だけの時間: 定期的に夫婦二人で食事に出かけたり、ゆっくり会話したりする時間を作ることで、夫婦関係が良好になり、心のゆとりが生まれます。
現代においては、経産婦が妊娠しやすいと言われる一方で、社会の変化とともに様々な要因が妊娠に影響を及ぼします。
しかし、諦める必要はありません。
正しい知識を持ち、夫婦で協力して健康的な生活習慣を送り、心身ともにリラックスできる環境を整えることで、二人目以降の妊娠への道が開けます。
6.まとめ:二人目以降の妊娠を成功させるために
今回の記事では、経産婦が妊娠しやすいと言われる理由から、現代における妊娠の課題、そして二人目以降の妊娠を希望する方が実践すべき具体的な体づくりの方法までを詳しく解説しました。
経産婦が妊娠しやすい理由:
子宮や骨盤周りの柔軟性の向上
排卵周期の安定化
精神的な余裕とリラックス効果
健康意識の向上と生活習慣の改善
経産婦でも妊娠しにくいケース:
高齢出産に伴う卵子の質の低下
産後の体力の回復状況や疲労の蓄積
育児によるストレスや睡眠不足
妊娠しやすい体を作るための具体的な方法:
栄養バランスの取れた食事、質の良い睡眠、適度な運動といった健康的な生活習慣の維持
BMIを意識した適正体重の維持
基礎体温の測定や定期的な婦人科受診による子宮・卵巣の状態チェック
夫婦で取り組むストレスマネジメント:
家事・育児の分担
夫婦の対話
リラックスタイムの積極的な確保
「経産婦だから簡単に妊娠するだろう」という思い込みは避け、現代社会の状況も踏まえ、積極的に妊活に取り組むことが大切です。
不安なことや疑問に思うことがあれば、一人で抱え込まず、専門医に相談することも重要な選択肢です。
この記事が、二人目以降の妊娠を希望するあなたの参考になり、健康で幸せな家族計画の一助となることを心から願っています。
この記事を書いた人
高橋 あい

わくわくボディクリニック 代表 / 結果にこだわるサプリメント開発者
2010年、女性の美容と健康に特化したサロン「わくわくボディクリニック」を創業。
自身の摂食障害によるマイナス22kgの体験をきっかけに、栄養学と腸内環境の重要性に着目した元祖麹菌サプリメント「ノーカウント」を開発。
「ノーカウント」は、ダイエット、美肌、腸活をサポートするサプリメントとして、全国250以上のエステサロン・治療院などで導入されるロングセラー商品へと成長。
美容・健康業界のプロフェッショナルからも高い評価を得ている。
また、2020年には神奈川県の未病スタイルアンバサダーに就任し、食生活改善セミナーや健康イベントなどを開催し、地域住民の健康増進に貢献。
現在も最前線で施術を行いながら、科学的根拠に基づくサプリメントの研究・開発・販売を継続。
美容・健康分野における革新的なアプローチを追求し続けている

