産褥熱とは?原因・症状・治療法・予防策を徹底解説!

出産後のママを悩ませる高熱や体調不良。
もしかすると、それは「産褥熱」かもしれません。
産褥熱は、産後10日以内に38℃以上の発熱が2日以上続く状態を指します。
多くの場合、感染症が原因であり、早期の対応が重要です。
この記事では、産褥熱の原因、症状、検査方法、治療法、そして予防策について、詳しく解説します。
産褥熱とは?いつまで続く?
産褥熱の定義
産褥熱とは、分娩後の女性が発症する発熱性疾患の一つです。
産後10日以内に、38℃以上の発熱が2日以上続く場合に診断されます。

産褥熱の主な症状
産褥熱の症状は、発熱だけにとどまりません。以下のような症状が現れることがあります。
高熱(38℃以上)
下腹部痛や子宮の圧痛
悪露(おろ)の悪臭
発汗や寒気
頻脈(心拍数の増加)
倦怠感(体のだるさ)
産褥熱はいつまで続くの?
適切な治療を行えば、産褥熱の症状は3~5日程度で改善します。
しかし、感染の程度によっては長引くこともあるため、早めの受診が大切です。
産褥熱の原因は?
産褥熱の主な原因は、産後の免疫力低下と細菌感染です。
以下の5つの要因が大きく関わっています。
免疫力の低下 出産は体に大きな負担をかけるため、産後は免疫力が低下し、細菌感染のリスクが高まります。
胎盤遺残(たいばんいざん) 通常、出産後は胎盤や卵膜が完全に排出されますが、一部が子宮内に残ると感染の原因になります。
子宮内膜剥離不全 子宮内膜が完全に剥がれず、一部が残ることで細菌が繁殖しやすくなります。
膣出血 分娩時に膣や会陰にできた傷口から細菌が侵入し、感染を引き起こすことがあります。
細菌感染
産道や子宮内膜の感染
帝王切開の手術跡からの感染
会陰切開や縫合部の感染
これらの要因が複合的に関わり、産褥熱を引き起こすことがあります。
産褥熱の検査方法
産後10日以内に高熱が続いた場合、医師は以下の検査を行い診断します。

内診・超音波検査
子宮の腫れや圧痛を確認し、感染の可能性を調べます。
血液検査
白血球数や炎症マーカー(CRP)の数値をチェックし、感染の有無を判断します。
細菌培養検査
子宮内や膣分泌物の細菌検査を行い、感染源を特定します。
これらの検査結果をもとに、適切な治療が行われます。
産褥熱の治し方|治療法と回復のポイント
産褥熱の治療には、抗生剤の投与と感染源の除去が重要です。

抗生剤による治療
軽症の場合:経口抗生剤を処方し、自宅で安静
中度以上の場合:入院し、点滴で抗生剤を投与
母乳育児中の方は、抗生剤の影響が気になるかもしれません。しかし、母乳に移行する量はごくわずかなため、過度な心配は不要です。服用開始から2~3日で症状が軽くなるケースが多いです。
子宮内の清掃 胎盤遺残や子宮内膜剥離不全が原因の場合、医師が子宮内を清掃し、感染源を除去します。
産褥熱の予防方法
産褥熱は、適切なケアを行うことで予防できます。
産後の体は非常にデリケートな状態なので、感染症を防ぐために以下のポイントを意識しましょう。
外陰部を清潔に保つ
悪露パッドや下着をこまめに交換する
シャワーでデリケートゾーンを清潔にする
手洗い・衛生管理を徹底 授乳前後やトイレの後に手洗いを習慣化しましょう。
体を冷やさない&免疫力を維持
バランスの良い食事を摂る
十分な睡眠をとる
ストレスを溜めない
異変を感じたらすぐに受診
悪露の臭いが強い
膣の傷が赤く腫れている
38℃以上の熱が続く
これらの症状がある場合は、すぐに医師に相談しましょう。
産褥熱でも授乳はできる?
産褥熱にかかった場合でも、母乳を通じて赤ちゃんに感染することはありません。
母乳には免疫物質が含まれているため、むしろ赤ちゃんの健康を守る役割があります。

授乳時の注意点
水分補給をしっかり行う(母乳の分泌を維持しましょう)
体力が辛いときはミルクと併用する
授乳前に手洗いや消毒を徹底する
高熱で体力が低下している場合は、無理せずミルクを取り入れることも選択肢の一つです。
授乳中は特に脱水になりやすいため、意識的に水分補給を行いましょう。
無理をせず、自分の体調を最優先にしてください。
【まとめ】産褥熱を防ぎ、安心して産後を過ごそう
産後は赤ちゃんのお世話で忙しくなりますが、ママの健康が最優先です!
こまめな水分補給と衛生管理をしっかりとしていきましょう。
それでも体調に少しでも異変を感じたら、すぐに医師に相談することが大切です。
産褥熱に関する統計データ
日本では、約1~5%の産褥婦が産褥熱を発症すると言われています。(出典:日本産婦人科医会)
産褥熱の原因菌として最も多いのは、溶連菌や大腸菌などの細菌です。(出典:日本感染症学会)
これらの統計データからも、産褥熱は決して珍しいものではないことが分かります。しかし、適切な予防と早期の対応によって、重症化を防ぐことができます。
産褥熱に関する最新情報
近年、産褥熱の予防や治療に関する研究が進んでいます。
プロバイオティクスの摂取が、産褥熱の予防に役立つ可能性が示唆されています。(出典:海外の医学論文)
帝王切開後の感染リスクを低減するための、新たな手術法や抗菌薬の使用法が研究されています。(出典:日本の産婦人科専門誌)
この記事を書いた人
山下 こうすけ

わくわくボディクリニック代表 | 美容・健康業界の第一人者
2003年、セラピストとしてキャリアをスタートし、2010年に「わくわくボディクリニック」を創業。
独自に開発した20年以上の研究に基づく施術メソッドが高く評価され、現在では年間15,000人以上が来店する人気サロングループへと成長を遂げる。
また、その高い専門性と技術力が評価され、ミス・ジャパンの審査員も担当。
美容・健康に関するセミナー講師として、多くの女性の美と健康をサポートし続けている。
現在も施術の最前線に立ちつつ、最新の美容・健康トレンドを取り入れながら、多くの女性の「美」と「健康」をサポートし続けている。