産後の夫婦生活、再開のきっかけは?統計データから見るリアルな声

産後の生活は、喜びや感動に満ちている一方で、慣れない育児やホルモンバランスの変化により、心身ともに大きな負担がかかるものです。
特に、夫婦の関係性においては、産前とは異なる悩みや課題が生じることも少なくありません。
その中でも、「産後の夫婦生活を再開するきっかけ」について悩む夫婦は多くいらっしゃいます。
この記事では、産後の夫婦生活再開について、読者の皆さんが抱える疑問や不安を解消できるよう、統計データに基づいた客観的な情報と、具体的なきっかけやヒントを解説していきます。
1.産後の夫婦生活、いつから再開できる?実際のデータ

産後の夫婦生活再開は、体の回復状況や心の準備など、様々な要因に左右されます。
一般的に、産褥期と呼ばれる産後6〜8週間は、悪露が続き、子宮が回復する大切な時期であり、この期間の性交渉は感染症のリスクもあるため避けるべきとされています。
では、実際に多くの夫婦はいつ頃から夫婦生活を再開しているのでしょうか?
2024年に実施されたある調査によると、産後の夫婦生活再開時期について、以下のような結果が出ています。
産後3ヶ月以内: 約30%
産後3ヶ月〜6ヶ月: 約40%
産後6ヶ月〜1年: 約20%
産後1年以上: 約10%
このデータから、産後3ヶ月から6ヶ月の間に夫婦生活を再開するケースが最も多いことがわかります。
しかし、注目すべきは、産後1年以上経っても再開に至らない夫婦が一定数いるという点です。
これは、肉体的な回復だけでなく、精神的な側面も大きく影響していることを示唆しています。
1-1.産後、夫婦生活再開を妨げる要因とは?
「産後の夫婦生活がきつい」と感じる夫婦も少なくありません。
その背景には、以下のような複数の要因が考えられます。
1.身体的な要因:

会陰切開や帝王切開の傷の痛み: 産後の回復には個人差があり、傷が完全に癒えるまでに時間がかかる場合があります。
悪露の継続: 産褥期が終わっても、少量の悪露が続くことがあります。
性交痛(ディスパレウニア): 授乳によるホルモンバランスの変化で膣の乾燥が進み、性交時に痛みを感じることがあります。これは多くの女性が経験する問題です。
疲労: 睡眠不足や慣れない育児による慢性的な疲労は、性的な欲求を低下させます。
2.精神的な要因:
ホルモンバランスの変化: 産後はエストロゲンなどの女性ホルモンが急激に変化し、気分の落ち込みや意欲の低下につながることがあります。
育児ストレス: 24時間体制の育児は、想像以上に精神的な負担が大きいものです。
ボディイメージの変化: 妊娠・出産による体型の変化に戸惑い、自信を失う女性もいます。
母親としての意識: 「母親」という役割に集中しすぎて、「女性」としての自分を意識しづらくなることがあります。
3.環境的な要因:

睡眠不足: 赤ちゃんの夜泣きなどでまとまった睡眠が取れないと、夫婦ともに疲労が蓄積します。
時間的な制約: 赤ちゃん中心の生活になり、夫婦二人きりの時間を持つことが難しくなります。
これらの要因が複雑に絡み合い、夫婦生活再開へのハードルを高くしているのです。
2.産後 夫婦生活 再開 きっかけ:先輩夫婦のリアルな声
多くの夫婦が「産後の夫婦生活を再開するきっかけ」をどのように見つけ、乗り越えてきたのでしょうか。
実際に夫婦生活を再開した経験のある方々の声や、調査データから、具体的なきっかけを探ってみましょう。
1. 身体的な回復を感じた時
やはり最も多いきっかけの一つは、女性側の身体的な回復です。
「悪露が完全に止まって、傷の痛みもなくなった頃に、そろそろかなと思いました。」(30代女性)
「産後検診で医師からOKが出たタイミングで、夫と相談しました。」(20代女性)
産後6〜8週間の産褥期が明け、医師からの許可が出たタイミングで夫婦生活を再開するケースは多く見られます。
無理をしてしまうと、新たなトラブルにつながる可能性もあるため、体のサインに耳を傾けることが重要です。
2. 精神的なゆとりができた時
身体的な回復はもちろん重要ですが、精神的な準備ができたことも大きなきっかけとなります。
「育児に少し慣れて、自分の時間が少し持てるようになった頃、夫婦二人で過ごす時間の大切さを改めて感じました。」(30代女性)
「赤ちゃんが夜まとまって寝るようになって、少し睡眠が取れるようになったら、気持ちに余裕ができました。」(20代男性)
ある調査では、「夫婦生活再開のきっかけとして最も大きかったもの」として、「精神的なゆとりができたこと」を挙げた夫婦が全体の45%を占めました。
育児の負担が軽減されたり、夫婦で協力体制が築けたりすることで、精神的な余裕が生まれ、自然と夫婦生活への意識が向くようです。
3. 夫婦でのコミュニケーションがあった時
意外に思われるかもしれませんが、夫婦間でのオープンなコミュニケーションが再開の大きなきっかけとなることもあります。
「夫から『無理しなくていいから、気持ちの準備ができたら教えてね』と言われて、心が軽くなりました。その一言で、私の方から再開を切り出すことができました。」(30代女性)
「お互いに正直な気持ちを話し合って、お互いのペースを尊重しようと決めたら、自然と再開できました。」(40代男性)
「夫婦生活を拒否」といった状況に陥る前に、お互いの気持ちを素直に伝え合うことで、誤解やすれ違いを防ぎ、再開への道をスムーズにすることができます。
特に、男性側からの理解と配慮は、女性が安心して夫婦生活を再開するための重要な要素となります。
4. 夫婦二人きりの時間を持てた時
赤ちゃん中心の生活が続く中で、意識的に夫婦二人きりの時間を作ることも、夫婦生活再開のきっかけになります。
「実家や保育園に赤ちゃんを預けて、二人で外食に出かけたり、ゆっくり話したりする時間を作りました。そこで、夫婦としての絆を再確認できた気がします。」(30代女性)
「赤ちゃんが寝た後に、リビングでゆっくりお酒を飲んだり、映画を観たりする時間を設けるようにしました。そういう中で、自然な流れで夫婦生活に繋がりました。」(30代男性)
あるデータでは、「夫婦二人きりの時間を持つことが夫婦生活再開に繋がった」と回答した夫婦が約35%に上っています。
日常の中で意識的に夫婦の時間を確保することが、関係性を深め、性的な親密さへと繋がるきっかけとなるようです。
5. 記念日や旅行などの特別なイベント
日常から離れた特別なイベントが、夫婦生活再開のきっかけとなることもあります。
「結婚記念日だったので、久しぶりに夫婦でゆっくり過ごそうという雰囲気になり、自然と再開できました。」(20代女性)
「赤ちゃんを連れて家族旅行に行った時に、久しぶりに気持ちがリラックスできて、夫婦生活も再開できました。」(30代男性)
非日常的な空間や時間の中で、夫婦としての関係性を改めて意識し、再開へと踏み切るケースも少なくありません。
3.産後の夫婦生活再開をスムーズにするためのヒント
タイミングを計りかねている夫婦のために、再開をスムーズにするための具体的なヒントをご紹介します。
1. 夫婦で話し合う時間を作る

最も大切なのは、夫婦でオープンに話し合う時間を作ることです。
お互いの身体的・精神的な状態、育児の疲れ、そして夫婦生活に対する気持ちを正直に伝え合いましょう。
女性から: 「まだ体が回復しきっていないから、もう少し待ってほしい」「疲れていて、なかなかその気になれない」など、正直な気持ちを伝えます。
男性から: 「無理はさせたくないけれど、夫婦としてもっと親密になりたい気持ちがある」といった、相手を尊重した上での思いを伝えます。
2. スキンシップから始める
いきなり性交渉を再開することに抵抗がある場合は、手をつなぐ、ハグをする、キスをするなどのスキンシップから始めてみましょう。
肌と肌の触れ合いは、お互いの絆を再確認し、安心感を与えてくれます。
3. プレッシャーを感じない環境を作る
「再開しなければならない」というプレッシャーは、かえって夫婦生活への抵抗感を増幅させてしまいます。
無理に再開しようとせず、お互いのペースを尊重することが大切です。
4. 育児の協力体制を見直す
女性の疲労が夫婦生活への意欲を低下させる大きな要因です。
男性は積極的に育児に参加し、女性が休息を取れる時間を作ることが重要です。
家事の分担を見直したり、シッターサービスや両親の協力を得たりするのも良いでしょう。
5. デートの時間を設ける
週に一度、月に一度など、意識的に夫婦二人きりの時間を作りましょう。
短時間でも構いません。
カフェでお茶をする、散歩をする、外食に行くなど、リラックスできる時間を共有することで、夫婦としての絆を深めることができます。
6. 性交痛がある場合は医療機関を受診する

もし性交痛が続くようであれば、我慢せずに婦人科を受診しましょう。
適切な治療やアドバイスを受けることで、痛みを軽減し、快適な夫婦生活を取り戻すことができます。
7. 避妊について話し合う
夫婦生活再開にあたっては、避妊についても話し合い、お互いに納得できる方法を選びましょう。
産後の避妊は、次の妊娠を計画的に進めるためにも重要です。
4.産後クライシスと夫婦生活の関係

「産後クライシス」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
産後クライシスとは、出産後に夫婦関係が悪化してしまう現象を指します。
夫婦生活の再開がうまくいかないことも、この産後クライシスの要因の一つとなることがあります。
あるNPO法人の調査によると、「産後に夫婦関係が悪化した」と感じている夫婦の約60%が、「夫婦の性的なコミュニケーションが減った、またはなくなった」と回答しています。
このことから、夫婦生活が滞ることが、夫婦関係全体の満足度低下に繋がる可能性が示唆されます。
しかし、夫婦生活の再開だけが産後クライシスの解決策ではありません。
産後クライシスは、育児負担の偏り、コミュニケーション不足、価値観のすれ違いなど、様々な要因が複合的に絡み合って起こります。
夫婦生活の再開をきっかけに、夫婦関係全体を見つめ直し、お互いの気持ちを尊重し、協力し合う姿勢が何よりも大切です。
4-1.産後クライシスを乗り越えるために
感謝の気持ちを伝える: 日常の些細なことでも、お互いに感謝の気持ちを伝え合うことで、ポジティブな関係を築けます。
相手の努力を認める: 育児や家事において、お互いの努力を認め、労いの言葉をかけ合いましょう。
期待値を調整する: 産前と同じような夫婦関係をすぐに求めず、今の状況に合わせた新しい関係性を築くことを目指しましょう。
第三者を頼る: どうしても解決できない場合は、カウンセリングや専門機関に相談することも検討しましょう。
5.まとめ:焦らず、夫婦のペースで「産後 夫婦生活 再開 きっかけ」を見つける

産後の夫婦生活再開は、デリケートな問題であり、夫婦それぞれに異なる「夫婦生活を再開するきっかけ」があります。
焦らず、お互いの身体と心の準備が整うのを待つことが何よりも大切です。
統計データからもわかるように、多くの夫婦が産後3ヶ月から6ヶ月の間に再開していますが、それはあくまで平均値です。
大切なのは、周りの情報に惑わされず、あなた方夫婦が納得できるペースとタイミングを見つけることです。
オープンなコミュニケーション、スキンシップ、そして夫婦二人きりの時間を作ること。
これらのヒントを参考に、あなた方夫婦にとってベストなきっかけを見つけてください。
この記事が、産後の夫婦生活について悩む方々の不安を少しでも和らげ、より良い夫婦関係を築くための一助となれば幸いです。
この記事を書いた人
山下 こうすけ

わくわくボディクリニック代表 | 美容・健康業界の第一人者
2003年、セラピストとしてキャリアをスタートし、2010年に「わくわくボディクリニック」を創業。
独自に開発した20年以上の研究に基づく施術メソッドが高く評価され、現在では年間15,000人以上が来店する人気サロングループへと成長を遂げる。
また、その高い専門性と技術力が評価され、ミス・ジャパンの審査員も担当。
美容・健康に関するセミナー講師として、多くの女性の美と健康をサポートし続けている。
現在も施術の最前線に立ちつつ、最新の美容・健康トレンドを取り入れながら、多くの女性の「美」と「健康」をサポートし続けている。