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産褥期とは?ママと赤ちゃんのための心と体の変化を理解し、乗り越えるための完全ガイド

公開日: 2025.10.26 / 最終更新日時 : 2025.10.26ミスコンレポート&コラム

1.産褥期を理解する:ママの体と心に起こる大きな変化

新しい命の誕生は、家族にとってこの上ない喜びです。

しかし、出産を終えたお母さんの体と心は、実は「産褥期(さんじょくき)」という大きな変化の期間に入ります。

この産褥期をしっかり理解し、適切に過ごすことが、その後の健康な育児生活の土台となります。

1-1.産褥期の定義と期間

カレンダー2

産褥期とは、出産によって変化した母体の各器官が、妊娠前の状態に戻るまでの期間を指します。

一般的に、出産後6〜8週間(約2ヶ月間)とされていますが、回復には個人差があります。

この期間は、単に体の回復を待つだけでなく、新しい生活リズムに適応し、赤ちゃんとの愛着形成を深める非常に重要な時期です。

特に、産後1ヶ月健診までは、医師や助産師から特別な安静が指示されることが多いです。

1-2.産褥期の体で起こる変化

産褥期の体には、目覚ましい回復と変化が起こります。

主要な変化を理解しておきましょう。

1.子宮の回復(子宮復古)

子宮

  • 出産直後、大人の頭くらいの大きさだった子宮が、徐々に収縮し、妊娠前の鶏の卵くらいの大きさまで戻ります。

  • この子宮の収縮に伴って起こる痛みを「後陣痛(こうじんつう)」と呼びます。経産婦(二人目以降の出産)の方が強く感じやすい傾向があります。

2.悪露(おろ)

  • 子宮内膜が剥がれ落ち、血液や分泌物と混じって排出されるものが悪露です。

  • 最初は鮮血に近い状態ですが、徐々に茶色、黄色、そして透明な分泌物へと変化し、通常は産後4〜6週間でなくなります。

3.ホルモンバランスの急激な変化

授乳

  • 妊娠を維持していたプロゲステロンやエストロゲンといった女性ホルモンが急激に低下し、代わりに母乳生成を促すプロラクチンなどが分泌されます。この劇的な変化が、産後の心と体の不安定さに大きく影響します。

  • 乳房の変化と授乳の開始:母乳の分泌が始まり、乳房が張るようになります。初めての授乳は戸惑うことも多いですが、徐々に慣れていきます。


2.産褥期の統計データから見る日本の現状

データ

日本において、産褥期がどれほど重要な時期として捉えられているか、また、どれくらいのママがサポートを必要としているかを見てみましょう。

2-1.産後うつとメンタルヘルスの課題

育児ノイローゼ

産褥期における最も深刻な問題の一つが、産後うつです。

厚生労働省の調査によると、出産を経験した女性のうち、約10%が産後うつを発症すると言われています。

これは、「マタニティブルー」と呼ばれる一時的な気分の落ち込み(多くのママが経験)とは異なり、専門的なケアが必要な疾患です。

2-2.産褥期のメンタルヘルス:マタニティブルーズと産後うつの違い

考える

産褥期には、ホルモンバランスの急激な変化により、多くのママがメンタルの不調を感じます。

その中でも、一過性の気分の落ち込みである「マタニティブルー」と、治療が必要な「産後うつ」は区別して理解することが重要です。

まず、マタニティブルーは、出産を経験したママの約50%〜80%が経験するとされる一般的な症状です。

これは出産後数日〜2週間以内に発症し、「涙もろくなる」「不安を感じる」といった特徴が見られますが、通常は自然に回復に向かいます。

一方、産後うつは、マタニティブルーとは異なり、産後2週間以降に発症することが多く、厚生労働省の調査でも出産を経験した女性の約10%前後が発症すると言われる深刻な疾患です。

その特徴は、「持続的な抑うつ気分」「強い不安」「不眠」「そして場合によっては自殺念慮」を伴う点で、専門的な治療が必要となります。

この統計的な事実からも、産褥期のメンタルヘルスケアが極めて重要であることがわかります。

2-3.産後ケアサービスの利用状況

サポート

近年、国や自治体による産後ケアサービス(宿泊型、デイサービス型、訪問型など)の整備が進んでいます。

しかし、内閣府の調査(令和元年度)などから、サービス利用率はまだ高くなく、「産後サポートが不足している」と感じる家庭は依然として多いという実態が見えます。

この背景には、「里帰り出産ができない」「核家族化によるサポート不足」といった社会的な変化があり、特に初めての出産を迎える初産婦の産褥期においては、適切なサポートの確保が課題となっています。


3.産褥期を乗り越えるための具体的な過ごし方とセルフケア

ポイント

産褥期を安心して過ごすためには、周囲のサポートを得ることと、ママ自身が無理をしない意識を持つことが不可欠です。

ここでは、産褥期の正しい過ごし方とセルフケアについて解説します。

3-1.産褥期の基本:とにかく「休む」こと

産褥期の体は、想像以上にダメージを負っています。

昔から「床上げ」という言葉があるように、この時期の最大の任務は「体を休めること」です。

  • 赤ちゃんが寝たらママも寝る: 家事よりも、まずは体を横にすること、睡眠を優先してください。

赤ちゃんとゴロゴロ

  • 家事・育児の分担: 夫や家族に協力を求め、特に水仕事や重労働は避けてください。

夫婦手つなぎ

  • 無理のない範囲での活動: 産後1ヶ月健診で医師の許可が出るまでは、激しい運動はもちろん、長時間の立位や座る姿勢も避けましょう。産褥体操など、体に負担の少ない運動から始めるのがおすすめです。

3-2.産褥期の食事と栄養のポイント

体の回復と母乳生成のため、食事は特に重要です。

  • 鉄分とカルシウムの補給: 出産で失われた血液を補い、母乳に必要な栄養素です。レバー、ほうれん草、乳製品、小魚などを積極的に摂りましょう。

鉄分

  • 良質なたんぱく質: 筋肉や子宮の回復を助けます。肉、魚、大豆製品をバランス良く。

タンパク質

  • 体を温める食事: 汁物や温かい飲み物を意識的に摂り、血行を良くしましょう。

ドリンク飲む

3-3.産褥期のメンタルヘルスケア

ホルモンバランスの乱れから、感情の波が激しくなるのは自然なことです。

産褥期のイライラ対策

子育て 悩み

  • 完璧を目指さない: 「できていないこと」ではなく、「できていること」に目を向け、自分を褒めましょう

  • 一人で抱え込まない: 辛い気持ちや不安を、パートナー、親、友人、または自治体の育児相談窓口などに話すことが大切です。

友だちに相談

  • 短時間の気分転換: 赤ちゃんが寝ている間に、好きな音楽を聴く、温かいお茶を飲むなど、短い時間でできるリラックスを心がけてください。


4.産褥期のサポート体制:誰に頼るべきか

女医カウンセリング

産褥期をスムーズに乗り越える鍵は、外部のサポートを遠慮なく利用することです。

4-1.頼れるサービスと施設

  • 産後ケアサービス:宿泊・デイケア・訪問など、母体の休養、育児指導、相談ができます。費用はかかりますが、専門家による手厚いサポートを受けることができます。

育児サポート

  • 地域の行政サービス:保健師、助産師による訪問指導、育児相談をお願いできます。無料または低額で利用可能です。地域の情報を得ることができます。

  • ファミリーサポートセンター:地域で育児の援助を受けたい人(依頼会員)と行いたい人(提供会員)を結ぶ仕組み。状況に応じて、きょうだいの送迎なども依頼可能です。

  • 家事代行サービス:掃除、洗濯、料理などをプロに依頼することができる、ママの休養時間を確保し、家事の負担を軽減することができます。

家事代行

4-2.パートナーとの協力体制(夫ができる産褥期のサポート)

パートナーはママの最大の理解者であり、強力なサポーターです。

  • 家事・育児の積極的な担当: 授乳以外のオムツ替えや沐浴、特に睡眠時間を確保するための夜間の対応は、パパの重要な役割です。

育児 パパ

  • 精神的なサポート: 「大丈夫だよ」「無理しなくていいよ」という温かい声かけは、ママの安心感につながります。

  • 情報の共有: 産褥期の体の変化や心のリスクについて、夫婦で事前に学び、共通理解を持つことが大切です。

夫婦会話


5.産褥期を終えた後の生活:無理せず徐々に

産後 いきみ 怖い

産褥期の約8週間が過ぎ、体の回復がある程度見られたら、徐々に妊娠前の生活に戻していきます。

しかし、完全に体が元に戻るには半年~1年かかると言われています。

焦りは禁物です。

産褥期を乗り越えた達成感を大切にしつつ、育児と体の回復を両立させていきましょう。

この重要な産褥期を夫婦で協力し、周囲のサポートも受けながら乗り越えることが、新しい家族の幸せなスタートラインとなります。

専門家の力を借りることも含め、決して一人で頑張りすぎないでください。

あなたの頑張りは、新しい命の成長の源です。


この記事を書いた人

高橋 あい

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わくわくボディクリニック 代表 / 結果にこだわるサプリメント開発者

2010年、女性の美容と健康に特化したサロン「わくわくボディクリニック」を創業。

自身の摂食障害によるマイナス22kgの体験をきっかけに、栄養学と腸内環境の重要性に着目した元祖麹菌サプリメント「ノーカウント」を開発。

「ノーカウント」は、ダイエット、美肌、腸活をサポートするサプリメントとして、全国250以上のエステサロン・治療院などで導入されるロングセラー商品へと成長。

美容・健康業界のプロフェッショナルからも高い評価を得ている。

また、2020年には神奈川県の未病スタイルアンバサダーに就任し、食生活改善セミナーや健康イベントなどを開催し、地域住民の健康増進に貢献。

現在も最前線で施術を行いながら、科学的根拠に基づくサプリメントの研究・開発・販売を継続。

美容・健康分野における革新的なアプローチを追求し続けている

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