子宮復古-産後の子宮の痛みの原因とセルフケア
子宮復古とはなんでしょうか?
子宮復古という言葉を聞いたことがありますか?
子宮は妊娠していない時はニワトリの卵くらいですが、妊娠によってサイズは臨月の頃には20~30倍くらいの大きさになります。
出産直後から子宮は元のサイズに戻ろうと収縮を始めます。
この元に戻ろうとする減少を「子宮復古」と呼びます。
出産後2~3日が最も強く子宮が収縮するので、陣痛に似た痛みがありますが問題ありません。
5~6週間で妊娠前のサイズに戻ります。
母乳を与えると子宮復古が順調なの?
母乳を与えることで乳頭に刺激があると、オキシトシンというホルモンが分泌されます。
オキシトシンによって子宮の収縮が促されます。子宮が元のサイズに戻ることは母体の回復に繋がります。
産後の出来るだけ早いタイミングから授乳を始めるのは子宮の収縮を促す意味もあります。
授乳をしているとお腹に生理痛のような痛みを感じることがありますが、それは授乳でおっぱいを吸われたことで子宮が収縮するためです。
子宮が回復しやすくするにはどうしたらいいの?
子宮が回復しやすくするにはどうしたらいいのでしょうか。
①しっかり栄養を摂る
出産後はしっかり栄養を摂るようにしましょう。
栄養が足りないと母乳の量が減る
→赤ちゃんが母乳を飲みたくてもおっぱいが出ない
→オキシトシンが分泌されない
→子宮が回復しにくくなる
という流れになってしまいます。
栄養バランスの取れた食事を摂るように意識しましょう。
食欲がない時は少しずつ回数を分けて食べたり、1度の食事でしっかり栄養が摂れるメニューにしたり工夫することが大切です。
②温める
子宮の回復は大切なことと分かっていても子宮の痛みは出来るだけ避けたいですよね。
お腹が冷えないように気を付けましょう。
子宮復古によるお腹の痛みを感じる時は、カイロや腹巻でお腹を暖めるようにすると痛みが和らぎます。
③手を当てる
痛みを感じた時には、気になる部分に手をあてて優しくマッサージしてみましょう。
強く押す必要はないので、ご自身が気持ちがいいなと思うよりソフトな力加減で大丈夫です。
文字通り、「手当て」の効果は、とても大きいんです。
優しく触ることで、不安を和らげたり痛みを緩和するオキシトニンという物質が分泌されます。
手を優しくあてて深呼吸してリラックスしましょう。
2人目以降の出産だと子宮復古が早い?
1人目の出産よりも2人目以降の出産のほうが、子宮の収縮が強いと言われています。
経産婦の方が子宮の収縮が強いのです。
あまりにも痛みが強い場合は、授乳に影響の出ない鎮痛剤がありますのでお医者様に相談して処方してもらいましょう。
子宮復古不全って何?
出産後、何かしらの理由によって子宮が元に戻らないことを子宮復古不全といいます。
通常、出産後おおよそ6週間かけて子宮は妊娠前のサイズに戻ります。
分娩時の難産・大量出血・胎盤や卵膜が子宮に残っている・子宮内膜やその周辺が炎症している、など原因はさまざま。
子宮復古不全を防ぐためには、
・しっかり栄養と水分を摂る
・産褥パッドをこまめに変えて清潔にする
・重いものを持たない
・検診を受ける
などご自身でできる対応もあります。
ただ、あまりにも強い痛みや悪露がいつもと様子が違う時には、すぐに病院にかかりましょう。
産後は便秘に注意
実は便秘も子宮の回復に悪影響を及ぼします。
便秘で硬い便を出そうとして力を入れすぎると子宮に負担がかかり、回復を遅らせる原因になるのです。
腸に便が溜まって血流が悪くなるのも子宮の回復によくないのです。
適切な水分摂取、食物繊維の多い食事、適度な運動などを心がけ、便秘を予防・解消することが重要です。
あまりにも便秘が続く場合は、お医者様に相談して授乳中にも服用できる整腸剤を処方してもらいましょう。